フツーって言うなぁ!

フツーなサラリーマンのフツーな嘆き.

Web系企業に入社して4ヶ月,思うこと

気づいたら1ヶ月記事書いてませんでした.
放置してる間になぜか前の記事がホッテントリに入ってました.な,何を言ってるk(ry

b.hatena.ne.jp

本題.

就活という名の血を血で洗う厳しい競争の末,なんとか希望だったWeb系企業に入社して4ヶ月が経ちました.
現在,夏休みを頂いてゆるゆる暮らしております.

実際に企業に入ってみて,外から見ているだけではわからないような,いいこと悪いこといろいろあったのですが,備忘録も兼ねて文章に残しておこうかと思います. なるべく,自分の学生時代に漠然と考えていた「かいしゃ」のイメージとの比較で書けたらいいなと思っています. なお,実名については一切出す気はありませんので,もし読んでいて何かを察したとしても心の中にとめておいてください…

よかったこと

お金がもらえる

当たり前のことですが非常に大事です.

金銭を得られるということは,生活にある種の自由度が与えられるということであり,例えば,学生時代には行けそうもなかった,6,000円/人の居酒屋とかに行けたりするわけです. これは,その人のメンタリティや,その人が関わるコミュニティの変化にもつながってきます.

また,与えられる金銭が,その人にかかる「責任」への対価であるということも重要です. 遅刻一つ例にとっても,学生時代にはせいぜい怒られて済む問題ですが,企業だとその分確実に給料から引かれ,ヘタをするとクビになる可能性すらあります.よく言われることではあるのでしょうが,自分のやっていることに責任を持つということが,社会人になるということの大きな意味なのかなとは感じました.

コードが書ける

企業を選ぶ時点で,「Excelと戯れるだけでコードを書かない」タイプの企業ではないと思っていましたが,わりとコーディングの機会も多そうで,その点は満足しています.

現在はOJTという形で,PHPSymfonyを使った小規模開発案件を1つ任されています. やはり,自分が書いたプログラムが世間様にさらされ,サービスとして使われるというのは感慨深いものがありますね.

ちなみに,コーディングスキルそのものについては,研修も含め,誰も教えてくれませんでした. 一応,入社試験にプログラミングの試験が含まれているので,新卒にもある程度のスキルは担保されているのだと思いますが,そういう意味では即戦力を求められているのかなと感じました.*1

向上心の高い人が多い

エンジニアとして最も大切なことは,「今より良い方向へ改善する」という気持ちだと思います. その点,先輩社員の方々は,ただ今のシステムに詳しいだけでなく,常に「次はこれをどうしていったらいいか」を考えられる人たちだと感じました. また,業界柄か,転職によるステップアップを考えている方も多そうでした.

ギャップを感じたこと

コードを書くだけが仕事ではない

これは,企業/部署によって大きく違うと思うので,あまり強く主張できないかもしれないのですが.

自分もITサービスをかじったことがあるのである程度はわかっているつもりなのですが,趣味のコーディングとは異なり,企業でのシステムは「開発してハイ終わり」というわけにはいきません. 作ったものを運用し,適宜改善していくことではじめて,継続的に価値を生み続けられるものになるのです.

私が実際に業務に入ってすぐに感じたのは,「あ,このシステムの仕様全部把握するの無理だ…」ということでした. 企業の規模が大きくなるにつれ,システムの規模も大きくなり,かつ複雑化していきます. 企業としてビジネスを回していく以上,可用性の極めて高いシステム作りをしていく必要があり,そのために,「そのシステムについてはなんでも来いの専門家」というのが絶対に必要になってきます. その「システムの専門家」は,技術的にシステムに詳しいことはもちろん,他部署からのシステムについての質問や改善の要望にも答えないといけませんし,トラブルが発生した時には対処する必要があります.*2 また,退職,休暇など,その「システムの専門家」が会社からいなくなる可能性もあるので,*3他の人を教育する必要もあります. 加えて,システムの全体像に関するドキュメント,仕様書などを書く必要があります. これも,システムが改修されるとすぐに古くなったり,散逸してしまうので,適宜更新していかないといけません. こういった「地味な」運用業務を行うことも,エンジニアとして重要なのだと感じたのは,企業に入って得られた気づきなのかなと思っています.

使える技術の制限

前項で述べたように,ビジネスを回すことを中心にシステムを運用することを考えると,(イケてそうだけど)「信頼できない」技術に手を出すのが怖くなるのも仕方ないのかな,とは思います. それに加え,特に大企業になると,開発に携わる人の技術力・システムへの熟練度もピンキリになってしまいます.*4 そこで,開発ノウハウやライブラリが蓄積されている技術を使うことで,起こる問題を減らすということが行われています.

救いなのは,多くのエンジニアが「それはよくないことだ」と捉えて,常に新技術を使える可能性を模索し続けていることです. 初めは社内ツールなど,比較的影響の少ない所から始めてノウハウを蓄えていき,徐々に本番環境にも適用していくという形が一般的なのかなと思いました.

コミュ力は大事

結局,この記事はこれが書きたかっただけなのかもしれません.

「Web系の技術職なんてコードを書くだけの仕事なのになぜコミュ力が必要なのか」,私もコミュ力を要求する面接を受けながらそう思っていました. しかし,今考えてみると,直属の上司,他チーム,他部署の人たち,などなど,会社内部の様々な人達と関わることが,この仕事の本質なのだろうかとすら感じるようになってきました.

前述の通り,大規模なシステムの全てを理解するということは非常に困難であり,仕様を把握するだけでも,コードから全てを読み解くのは相当の時間を要します. また,その人がいかにスーパーなエンジニアであっても,その企業独自の仕様(自分が経験したものとして,社内ツールの使い方,ドキュメントの場所,サーバの独自仕様とか)については,事前知識として知りようがありません. こういう「外からでは勉強しようのないこと」は,自分が考えていた以上に多かったです. このように,「聞かなければわからないこと」,また「聞かなくてもわかりそうだけど聞いたほうが早いこと」については,さっさと聞いて覚えてしまうことが重要です. また,大きな企業だと,多人数(といってもうちの部署はアジャイルが中心なので10人弱ぐらい)で開発を行ったり,アプリケーション担当とシステム担当が部署的に分かれていたりして,他部署に依頼する形でサーバの設定を行うことなんかも多々あります.

ここで言う「コミュ力」とは,気のおけない友達と楽しくやるための能力ではなく,面識のない人(や苦手な人)と上手くやっていく能力です. *5 一度も話したことのない人に絡みに行くのは,コミュ障の自分には結構つらいものがありましたが,それでも「これも含めて仕事だ」と思うようにすることで,なんとかやっていっています.

番外

可処分時間の大幅な減少

学生時代に比べると,自分の自由にできる時間は感覚的に1/5ぐらいになっていると思います. 定時に働く必要があるのはもちろん,帰ってからも疲れが残っているため,なかなかその後に何かしようという気にもなれません.*6 逆に,土日を有効活用して遊びに行ったり,読書をしたりということは増えたような気がします. 要するに,時間が少なくなった分,メリハリを付ける必要に迫られるわけですね. 何が言いたいかと言うと,もう少し休みをください…

「同世代」コミュニティの崩壊

これもよく言われることですが,10代後半~20代の人間がほとんどを占める大学と比較して,企業では20代以上の様々な世代の人が一緒に働いています. もちろん,Web系企業は比較的「若く」,自分の会社でも40代以上の人はあまり見かけないのですが,それでも話が合わないことが結構あります. これは,友達を探す上で非常に厄介. うーむ,なんとかならんものか…


自分が入社したのはWebサービスを自社で開発,運用しているタイプの大企業であり,「Web系企業」と題するのは主語が大きい気はするのですが,雰囲気は感じ取ってもらえたかと思います.
自分の就活時代を思い出すと,エンジニアとお話させていただく機会は何度かありましたが,このような「ナマの感想」を聞く機会はあまり多くなかったように思います.*7
参考になれば幸いです.

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*8

*1:大変な分,子供扱いされずに一人の社員として見てくれるのは嬉しくもあります

*2:トラブルはわりと頻繁に起こります.その際は直接会社へ行くか,リモートで解決することが多いようです

*3:これはWeb系全般に言えることだと思いますが,離職率が高く,本当にぼつぼつ抜けていきます

*4:これに関しては,Web系はまだマシな方だと思います

*5:個人的には,この2つは全く別の能力だと思っています

*6:そこら辺はバイタリティによるのかもしれませんが

*7:先方が話したがらなかったというよりは,こちらの発想力が貧困で,聞きたいことをうまく掘り返せなかったといった方が正しい?

*8:24話の「目先のことばかり考えている時期はもう終わりだよ。そろそろ、少し高い所から遠くを見る時がきたんだよ。」というセリフが本当に刺さります.早くBDで見たいです