ネットワークスペシャリストになれました
というわけで,3度目の正直というやつで合格できました.
情報セキュリティスペシャリスト(SC),データベーススペシャリスト(DB),ネットワークスペシャリスト(NW)試験の3資格に合格することは,自分の大学院生時代の目標でしたので,2年遅れでようやく達成できたことになります.
せっかくですので,合格までの経緯を軽くまとめておきたいと思います.
2014年秋試験
ウチのブログのアクセス解析を見てみると,こちら↓
の記事が一番閲覧されているようなのだが,この年のNW試験は午後2が4X点という特に残念でもない点数で落ちてしまっており,「ネットワークスペシャリスト試験を受けてきた(合格できたとは言っていない)」という状態が長く続いていた*1.
2015年秋試験
また,去年も試験を受けてきたわけだが,この時期はちょうど仕事の忙しい時期と重なってしまって勉強時間が十分に取れなかったのと,午後2で完全に問題選択を誤り,5X点*2で落ちてしまった.
2016年秋試験
そこで,「今年は一念発起,気合い入れていこう!」となったかというと,そうでもなく…
2016年8月上旬
特にネットワークについて継続的に勉強していたわけではないが,「受かるまで受け続けよう」という謎のやる気はあったため,せっせと申し込む*3.
この時期に海外出張があり,その準備等があったため,この時点では特に何もせず.
9月
謎の開発案件が降ってきて仕事が忙しい日が続いたが,ちょこちょこ午後試験の過去問を解きはじめる.
3回目ということで,過去問もある程度やり尽くしてしまっている感があり,どちらかというと解に至るまでのプロセスの確認と,解いていく上での疑問点の解決に注力した.
以下,使った問題集.
ネスぺの剣25 ~ネットワークスペシャリストの最も詳しい過去問解説 (情報処理技術者試験)
- 作者: 左門至峰,平田賀一
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2014/03/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ネスペ 26 道 ?ネットワークスペシャリストの最も詳しい過去問解説 (情報処理技術者試験)
- 作者: 左門至峰,平田賀一
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2015/03/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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受験者の中でも評価の高いネスペシリーズ.
過去問(午後試験)1年分について非常に詳しい解説を施してある.
個人的に,「なぜその解答になるのか」だけでなく,「なぜその解答以外の解答にならないのか」についての反駁が行われている点がよいと思う.
反面,基礎技術についての解説書ではないので,その点は他の本などで追いついておく必要がある.
- 作者: ICTワークショップ
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2016/03/14
- メディア: Kindle版
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前年までの2年間で,そもそもネットワークについての基礎が足りていないと感じていたので新たに購入,したのだが…,どちらかというと過去問から見た視点での要素技術の解説に終止していた印象.
体系的に知識を得るための資料が欲しかったので,少し購入目的とズレてしまっていた感はあった.
ネットワークはなぜつながるのか 第2版 知っておきたいTCP/IP、LAN、光ファイバの基礎知識
- 作者: 戸根勤,日経NETWORK
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2007/04/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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これも名著として有名.
こちらは試験対策本ではなく,ネットワークの基礎技術についての解説本.
ユーザがブラウザからURLを叩いてHTMLが返ってくるまでを旅に例え,それぞれのレイヤで何が行われているのかを詳しく解説している.
分量はあるが,わかりやすさを気にかけているのか,非常にすいすいと読み進められた.
これを読んだからといってすぐに問題が解けるようになるわけではないが,体系的に勉強がしたいのであれば読むべきだし,副読本としての使い方も十分にアリだと思う.
以下,参考にさせていただいたサイト.
NWの試験範囲について,必要最小限な分量での解説が施されている.
ある程度ネットワークの知識がある人なら,ここを見てある程度知識をつけた上で過去問演習をすればなんとかなってしまうのではないかと思う.
10月
このあたりから,午前試験対策を始めた.
といっても,特に参考書等を買ったわけでもなく,過去問をやるだけ.
今年は午前1免除が失効していたため,午前1についても勉強する必要があったが,結局3〜4年分解いてイケそうなことを確認できたのでやめた.
試験当日
午前1
試験終了の時間を間違えて焦ったが問題自体は普通に解けた.
午前2
午前2は試験範囲が非常に狭く,過去問さえ覚えればほぼ同じ問題しか出ないのでいつも印象に残らない.
午後1
無線LANは勉強していなかったので問1,3を選択.
なんとなく近年はメール送信に関する出題が増えてきている気がした.
手応え的には7割程度.
午後2
昨年同様,問題選択に窮したが,直前にIPsecの勉強をしたのでえいやで問2を選択.
結果的にはこれが正解で,結構ヤマが当たった.
帰った後自己採点してみた結果的には6割5分ぐらい*4.
結果
うひぃ,ギリギリ…
反省点
そもそもなぜ3年もかかってしまったのか.
広範囲な知識の必要性
そもそも,試験範囲がなかなかに広い. OSI参照モデルの7層全てとその周辺技術から出題があり,ネットワークが本職のエンジニアであっても,すべての内容についていくのは困難なのではないだろうか. 最初に過去問に当たったときに感じた,「どこがわからないのかわからない!」という感覚は,単純な暗記量の少なさによるものだったのではないだろうかと,今になって感じる.最悪正規化とERモデリングだけできればなんとかなってしまうDB試験,コクゴができれば短期間の勉強でも合格できるSC試験と比較しても,学習曲線が非常に緩勾配で,長期間の根気強い勉強が必要となる気がした. 午後試験を大きく分類すると,レイヤ3以下(スイッチ,配線に関する出題)と,レイヤ3以上(主にIP,DNS,HTTPなどの技術に関する出題)に分かれているので,どちらかにヤマを張って勉強するのはアリだと思う.新技術への対応
上に関連するが,ネットワーク周りの技術は進歩が目覚ましく,NW試験でも様々な要素技術が出題されている. 情報処理技術者試験は,多くの人にとって初見の内容を扱う場合,既存の知識を応用して解けるように問題が設計されているのだが,そのあたりで知識の底の浅さが露呈してしまっていた. また,少し前の試験ではよく出題されていたIP電話の問題が減った代わりに情報セキュリティに絡めた出題が増えるなど,数年で出題傾向も変わっている. NW試験の過去問だけでなく,SC試験の過去問に手を出してみるのも有用かもしれない.ネットワークについての知識・実務経験不足
これは試験そのものというより自分の問題. 学生時代もWeb系の開発経験はあり,現職もアプリケーションエンジニアではあるが*5,ネットワークについて体系的に学ぶ機会がなかった. 学生時代のプログラミングというと,(実サービスとしての運用でもしない限り)「動けばおk」というものがほとんどであり,「Webのチュートリアル記事を見てそれをそのままコピペした」といったものがほとんどであった. また,現職でもネットワーク担当の仕事とアプリケーション担当の仕事は分業されており,「権限管理」の名のもとにネットワークを直接的に触る機会はほぼない*6. この手の勉強には実機を触るのがいちばんよいのだろうが,その機会に恵まれなかったのが一因だと思う. 最近であれば仮想環境上にネットワークを構築するのも以前より難しくなくなってきたらしいので,少しずつそういう学習も進めていければいいと感じた.
次は何を取りましょうかねぇ…*7
*1:地味に「ネットワークスペシャリスト」でググると上記記事が検索上位に出てきてものすごく恥ずかしかった
*2:適当に埋めた部分が多かったが,問題そのものが結構難しかったのか,採点は甘めに感じた.情報処理技術者試験では,合格率調整のための得点調整は結構なされる(と思われる)ので,問題が難しいと思ってもやはり諦めてはダメだと思う
*3:余談だが,早く申込みを行うと現住所に近い会場に行けるという噂があるので,申し込むならできるだけ早い方がいいかもしれない
*4:個人的にはイーサネットのMTUを勘違いしていたのがつらい
*5:現在の上司氏はアプリケーションエンジニア出身だが非常にネットワークに強く,その点でも頼られている.このような,「もう一つの強み」を持てることがエンジニアとしての市場価値の向上につながっていると感じる
*6:さわるコマンドと言えばせいぜいpingとdigとnetstatぐらい
*7:友人からも「資格マニア」と呼ばれるようになってきていますw